高瀬正仁(2010) 『高木貞治』
高瀬正仁(2010) 『高木貞治 ――近代日本数学の父』 岩波書店(岩波新書1285)
高木貞治(1875-1960):
・類体論の創設者にして世界に通用する日本最初の数学者。岐阜に生まれて東京帝大に学んだのち、ゲッチンゲンでヒルベルトの薫陶を受ける。
・岡潔より30年少し年長。直接の交流は少ないが、岡を評価していたと思われる。
本書について:
・出自から晩年までを追うオーソドックスな評伝
・高木レベルになると小学校の作文まで晒されるんだなぁ
・高校数学で理解できるような理論の簡単な解説がはさまれているのが特色
・著者は九大准教授の数学者・数学史家
目次
序章 故郷を訪ねて
第一章 金粟初めて開く ――岐阜から京都へ
第二章 二人の師 ――河合十太郎と藤澤利喜太郎
第三章 自由な読書にふける ――数論の海へ
第四章 後るることまさに五十年 ――類体論の建設
第五章 日本人の独創性 ――高木貞治の遺産
あとがき
年譜・参考文献